音と音が交わる、音楽と音楽が行き交う、 音楽を愛する人と人とが交歓する、ここは、おんがく交差点。 珠玉の演奏と上質な音楽トークをお楽しみあれ。

おんがく交差点 第92回、ゲストは笙奏者宮田まゆみさんです。
雅楽の装束で凛々しい雰囲気の宮田まゆみさんと、大谷康子さんも着物でご一緒のツーショットには他を寄せない力が感じられましたよ。
宮田さんは音大時代に宇宙と響きあうために笙に出会ったそうです。色々興味深いお話が伺えました。武満徹の作品を演奏する、小澤征爾さんとの共演がはじめて宮田まゆみさんを目にした時でした。笙で始まる演奏の様子は2回は確実に聴きましたが、もう15年以上は前になります。その時の掌のうちにパイプオルガンがあるという説明がずっと忘れられません。さぞや能楽と縁のある家の出だと思っていましたから、音大時代にはピアノを弾いていて“鍵盤を押して、ずっと押していても、その音は短く消えてしまう。それは、わたしが求めている音楽と違う”と思い始めた頃に笙に出会われたという。
今回演奏は〈新春〉にちなみ、コラボが「越天楽」、「ヴァイオリンの小径」は「ラデツキー行進曲」です。
近衛秀麿が『越天楽』をオーケストレーションしていますが、そのヴァイオリンパートだけでなく、ヴィオラ、チェロのパートを一台のヴァイオリンで演奏しているよう。大谷康子さんに会う機会を得て、リクエストが願えるなら「越天楽」をと、頼んだら困られるだろうか。「テレビをご覧になりながらラデツキーで手拍子、ご参加くださいね」と紹介されて演奏された、「ラデツキー行進曲」は管楽器の響きまでエコーして聴こえるようだった。ヨハン・シュトラウスがヴァイオリンを弾きながらオーケストラを指揮していたことを、彷彿した。
天から差し込む光の音色『笙』! 雅楽で使われる『笙(しょう)』は、17本の細い竹が円形に配置された独特な形の管楽器。吹き口を吸っても吐いても同じ音が鳴る仕組みで、奈良時代に中国から伝わったとされている。
人の息より低い温度になると音が出ないため、演奏前には温める必要があるデリケートな楽器。
宮田まゆみさんは、1998年の長野五輪で『君が代』を演奏し『笙』を国際的に広めた第一人者。一般的に演奏される古典の独奏曲は6曲だが、宮田さんは平安時代まで遡って楽譜を発掘中!
音大時代はピアノ科だったが『宇宙と響きあう音楽』を追求し『笙』に出会った ... どういう事!?
お正月に誰もが聞いた事がある『笙』の意外と知らない魅力に迫る!宇宙と交信できるかも!?続きを読む